そのために、睡眠環境の工夫のところで述べたような、ベッド、枕、ふとん、パジャマ、カ―テン、照明などを充実し、それらを清潔に保っておくことをぜひ実行してもらいたい。週に一度は窓を開けて風を通すことも大切である。カビやダニの類は掃除と通風換気で退治できる。三〇?五〇代はあまり無理をしない睡眠に注意をしはじめるのは、三〇代半ば以降である。着替えずに寝ると翌日にこたえるとか、ちょっとしたことで睡眠がもろいものだと気づくのがこの年代である。睡眠自体も三〇歳から老化がはじまっている。いまの日本人の睡眠時間は短いが、若いあいだは短く効率よく寝ているので、それで乗りきっていける。ところが、そんな無理は三〇歳以降は効かなくなる。睡眠圧縮にも限界があるので、睡眠時間が短いまますごしているうちに、どこかで体調がくずれたりする。その結果、三五歳ぐらいから睡眠に関する本などを読むようになり、四〇代になって、睡眠にいい道具を買うようになる。

 

目ざまし時計は音が大きいのがいいというのは若いときで、音が不愉快でないものを選んだり、スタンドもだんだん明るさが強くなるものを選んだりするようになる。昔から、軽いオーバーを着たくなりだしたら、ふとんも変えたほうがいいといわれる。ずっしりしたものを着てうれしいと言っているときは、重たいふとんをかけても体力があるから大丈夫である。軽いカシミアのコートを着て快適だと思うようになったら、軽い羽根ぶとんにしたほうがいい。五〇代になると、着るものも、食べるものも、寝るものも軽くてぐあいのいいものにするのがいいということである。まぶしさについて、文句が出てくるのも五〇代である。「目に直接光が入ると気になる」と一言いはじめる。デジタル時計の液晶表示やテレビの電源モニターのランプがまぶしいとか、いろいろな苦情が出るのが、四五歳以降の女性と五〇歳以降の男性である。ちょっとした物音や光に文句が出てくる。

 

 

睡眠環境の快適条件や許容基準は、四〇?五〇代の男女の反応を目安にするといいといわれている。大学生はもちろん、三〇代でも、かなりひどい環境で熟睡できる、強いストレス耐性をしめす人が多い。このような人のデータにもとづいて基準値をつくると、とんでもないものができあがる。ストレス耐性が下がった中年と中年移行期の人々のデータが重要といわれるのは、このためである。五〇歳でライフスタイルを切りかえて、寝るだけのものだった寝室を、着るものと同じていどにお金をかけるようになる。また、眠りにつくタイミングがすこしでも狂ったり、就眠ステップの手順をまちがえると、眠れないことが出てくる。中年期に入ったら、規則正しい生活を心がけるべきである。。