先に小学生の睡眠時間を紹介したが、同じ岡山市と倉敷市の中学生。高校生のデータを紹介しよう。中学生の就床時刻は平日一一時二三分、休日○時一〇分、起床時刻は平日六時五五分、休日九時一八分である。睡眠時間は平日七時間二三分、休日九時間五分である。 一方、高校生の就床時刻は平日○時三〇分、休日○時五〇分、起床時刻は平日六時五三分、休日九時二三分である。睡眠時間は平日六時間一四分、休日八時間三八分と、中学生よりも一時間くらい少なくなっている。

 

 

二五年くらい前から、中学生や高校生が受験のためにでたらめな生活を本格的にはじめた。当時の中学生や高校生、いま四〇歳前後の人たちは、それが自分の生活体験になっているので、子どもたちの生活を自分のときと同じようにすれば問題ないはずだと考えている。少子化になっているのだから受験戦争はくずれていいはずだが、受験過熱はすこしも変わっていない。そのため、中学生。高校生は宵っぱりの朝寝坊があたりまえになってしまい、学校で半分眠っているということが常態になってしまった。中学生になれば体力ができてくるので、多少の歪みは吸収できるようになる。しかし、中学生の希望睡眠時間は八時間二〇分ぐらい、高校生の希望睡眠時間は七時間半から八時間、という調査から考えると、いまの睡眠時間はそれぞれ一時間から一時間半短いことになる。その希望睡眠時間に近づけるような工夫が、個人としても、家庭でも社会でも必要である。

 

 

大人になると、仕事をしたり酒を飲んだりで、夜遅く家に帰ることが多くなる。二〇代はまだ若いので、少々の無理はかんたんに回復できる。しかし、寝る前の食事には十分気をつける必要がある。ずれた時間帯に夕食をとると、逆流性の食道炎をおこしやすい。このことは小学生のところで述べた。とくに夜遅く、寝る前に消化の悪い脂肪分の多いものを食べると、食道炎の危険が大きくなる。寝ているときは胃は活動を下げてしまうので消化がすすまなくなる。夜遅く食べて、そのまま寝てしまうと、翌朝になっても消化しないまま胃の中に残っていることになる。吸収は、小腸で栄養を、大腸で水を吸収するので、睡眠中でもしてくれる。消化はストップするが、吸収はするので、眠りにつく前に消化さえ終わってしまえば問題はない。消化の時間中に眠ることで、消化作業をやめさせてしまうから、胃酸が強い状態のままになり、これが食道炎の原因になる。夜遅く食べるのなら、消化に時間がかかるものは避け、消化のいいものにしたい。しかし、夜型は夜になるほうが元気になるから、かえってボリュームのあるものを食べてしまう。だから、夜中にやたらと食べないことが望ましい。睡眠環境の管理も大切である。独身で自分の家にはただ寝に帰るだけという人たちは、寝室として最適な条件にコントロールしているかというと、そうではない。おおかたは物置状態である。自分の部屋に帰ったら、気持ちを落ちつけて、日中のストレスをきちんと振り切り、快適な睡眠準備に入って、十分に眠る。目ざめたら光を浴びて、元気な朝をむかえる。こういうしかけとシナリオが必要なのである。