幼児は睡眠が必須です

夜一〇時以降に眠りにつく幼児の割合を、厚生省が調査した結果がある。七時ぐらいには寝ていなければいけないのに、 一〇時まで起きている幼児が一九八〇年には二〇?三〇%だったのが、九五年には四〇%弱から五〇%近くにまで増えている。一歳から二歳までは、生物リズムをしっかりとつくるいちばん大事な時期である。昼間ずっと起きつづけて、夜にはぐっすり眠るというリズムの基本をつくるべきときに、こんな小さいころから宵っぱりの朝寝坊をさせるのは大問題である。高校生や大学生になって、朝どうしても起きられない睡眠相後退症候群という病気にかかることがある。治療がうまくいくかどうかは、その人のもつリズムの底力による。その力は小さいころに形成されるものである。だから、 一?三歳の時期には二四時間周期の生物リズムをつくることを第一義的に考えなくてはならない。

 

 

脳が光にたいする感受性をしっかりもって、リズムを管理する。網膜に入った光刺激が、視交叉上核にあるリズム中枢に到達する。同時に松果体にも刺激が伝わって、メラトニンの分を止めたり出したりする。このルートをしっかり開拓することが、この時期の大切な役割なのである。このメカニズムが正しくはたらかないと、朝起きてカーテンを開けて光を入れても、脳が覚醒しないので、起きられないのである。核家族化はますます進行しており、夜型社会もいっそう進行している。男女とも夜遅くまではたらいたり、夜勤もするようになっている。保育も二四時間保育が現実問題として話題になってきている。

 

 

夜間保育の是非をめぐって、さまざまな意見がある。幼児をかかえた若い父親や母親にとって、夜勤中の保育をどうしたらいいかは、たいへん大きな問題である。男女雇用機会均等法の改正により、勤務時間の割りふりに制限がとりはらわれた。ところが、育児休暇が十分機能していない現状では、両親とも残業や夜勤のときに、家でだれが子どものめんどうをみるかという問題には、明確な回答が出されていない。核家族化がすすみ、とっさに応援をもとめることのできる親戚や知人・友人もほとんどいない。離婚率の増加を反映して、 一人で子育てに奮闘するケースもかなりの数にのぼっている。そのような人たちは、きちんとした資格をもったベテランの保育士に子どもを託したいと願っている。